特別支援教育界のブラックジャックこと奥田健次氏のこの本には、やってはダメな対応とやるべき対応がセットで示されています。
例えば、「子どもの暴力・暴言・物壊しへの対応」では、絶対やってはダメな対応としては、①暴力に対して暴力(体罰)で返す。②その場しのぎの解決(従属・取引)を優先する。③子どもの言った言葉にいちいちつき合う。
やるべき対応としては、「隔離」(タイムアウト法):暴力を使わずに強制的に退場させる方法をあげています。実はこの方法、知的障害特別支援学校で働いていた時に、私自身がやっていました。子どもがパニックになってしまった時にもそうしていました。対応する大人の側は冷静に淡々と対応することが重要です。
また、「学習を促進する三原則」として、①個人能力の原理(個人の能力に合わせた課題を設定する)②個人ペースの原理(学習の達成速度を個人のペースに合わせる)③個別から集団への原理(1対1の関係を築き、小集団から徐々に大集団へ)をあげています。これが出来たら、確かに子ども達はそれぞれの力で発達していけると思いました。幼稚園や学校、家庭等でこうした点を念頭に、子どもを取り巻く環境調整が出来るといいなあと心から思います。