本の紹介

鷲見聡編『発達障害のサイエンス』を読んで

この本を読んで最も驚かされたのは、海外(ニュージーランド、イギリス、ブラジル)で行われたADHDのコホート研究の結果です。まず、小児期にADHDと診断された大部分の人が、成人期には診断基準を満たさなくなる、という点。さらに、成人期にADHDと診断された大部分の人が、小児期にはADHDの診断がついていなかったという点。

つまりどういうことかというと、ADHDの改善にも悪化にも環境の影響が大きく関与しているということなのだそうです。激しいADHDと反応性愛着障害は見分けがつかないということは、そういうことなのかも知れません。ということは、ADHDの子ども達に大切なのは、彼らに合った対応をすることや環境設定など、人的物的環境整備をすることと言えるのではないでしょうか。まあそれは、ADHDに限らずどんな子ども達についても言えることだとは思うのですが。

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