本の紹介

黒柳徹子著『続 窓際のトットちゃん』を読んで

1981年に刊行された『窓際のトットちゃん』の実に42年ぶりの続編です。私が前作を読んだのは大学1年生、18歳の時でした。そして今作を60歳で読みましたが、変わらぬ筆致の瑞々しさに感嘆致しました。

また、岩波明氏が指摘しているように、著者の黒柳徹子さんは、発達障害の要素をふんだんにお持ちの方のようで、この本の中にもその様子が散見されました。さらに、なんて強運な方なのでしょう!六千人以上のオーディションを通過したことは、運と言うよりも実力なのかも知れませんが、ドブに落ちて大声を上げたことで出征前の父親に会えたことやだだをこねたことで青森大空襲を避けられたことなどは、持って生まれた運の強さとしか言い様がない気がしました。16歳の時に手相を見てもらった時に、「あなたの名前は、津々浦々まで広まります」と言われたことは、まさに的中したわけで、そういう力というか運命みたいなものは、努力とか頭脳の明晰さとかとは別次元のものなのかもしれません。

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