特別支援教育について

好きなことと得意なこと

好きなことと得意なことは、その人の大きな力になると思います。好きなことなら苦もなく続けられますし、得意なことなら誉められたりもします。しかし、どうしても日本人は、苦手なことを克服したがって無理な努力をしてしまいがちです。それは教育にも言えることなのではないでしょうか。単位取得や卒業がからんでくれば、苦手なこともそれなりに取り組まなければならないでしょうが、苦手なことを職業に選ぶのは危険すぎる賭です。

クワガタムシ

好きなことや得意なことに取り組むと、実は苦手な要素も鍛えられます。例えば、昆虫採集が大好きな身体の使い方や手指操作に不器用さがある男の子がいたとしましょう。彼は、蝶やカブトムシを捕まえるために、野原を駆け巡り、森に入ります。そして、虫を捕まえるために網を振り、木登りをする。すると、結果的に身体の使い方が鍛えられ、手指の操作性が向上するのです。

苦手なことをひたすら訓練するより、好きなこと得意なことにどんどん取り組むことの方が、特別な支援が必要な子ども達に限らず、多くの子ども達の発達を促し、彼らを幸せにすると私は信じています。何しろ、その彼こそ、私自身だったのですから。