
図書館でたまたま見つけて読んでみましたが、とても良い内容なので、当研究所の推薦文献として購入することにしました。
巡回相談で幼稚園や保育園に伺うと、必ずされる質問の一つに「おもちゃの取り合いになると、手が出てしまう子どもにどう指導すれば良いでしょうか?」というものがあります。力に頼らずに、子ども同士でやり取りできる仕方を教えたり、先生が伴走者となって一緒に関わり方を教えたりすることを助言するのですが、「何度言って聞かせても、なかなか改善しません」とおっしゃる先生方も実際いらっしゃいます。
言って聞かせる以外の方法として、キャロル・グレイ氏が考案した「コミック会話」や「ソーシャル・ストーリー」の技法も先生方にお伝えしてきましたが、実際に取り入れているという方はまだまだ少ないようです。そうした先生方にもお勧めなのがこの本です。なにしろ、子ども達に読み聞かせながら、みんなで一緒にどうすればいいのかを考えられるように作られているのです。
おもちゃの取り合いのような実際の場面で、絵を描いて説明したり、やり取りの仕方を教えたりするのは、簡単なことではないと思います。ですが、絵本の読み聞かせの時に、そうしたおもちゃの取り合いの場面を見て、子ども自身がみんなで考える、そんな経験が出来たら、クラス全体にトラブル時の知識やスキルが蓄積されると思うのです。
また、小学校に入学した後のことや、知らない人から声を掛けられたときにどうすればいいのかといった内容も含まれていますので、就学前のレッスンとしても防犯の教科書としても使えると思います。
幼稚園や保育園の先生は勿論、就学前のお子さんのいる保護者の皆様にもお勧めの一冊です。