本の紹介

『発達障害の子のための できる道具』佐藤義竹著(小学館)を読んで

筑波大学附属大塚特別支援学校の佐藤義竹先生がまとめた「できる道具」図鑑です。

私が特別支援学校で働いていた時と同じポジションの先生が執筆した本なので、「そうそう、こんな本があったら助かる子が沢山いるはず!」と、読みながら膝を打った本です。

現在私は巡回相談で幼稚園や保育園に出向いていますが、その時にお薦めしているデジタルパッド(ブギーボード)も紹介されています。佐藤義竹先生は、「言葉でのやりとりが難しい子」や「場面緘黙の子」、「聴覚障害の子」を主な対象として紹介していますが、私としては自閉症や発達障害の子どもに是非使ってほしいアイテムです。友達とのトラブルがあった時、このデジタルパッドにその時の状況を絵にして見せてあげると、継次処理が苦手だけど同時処理が得意、聴覚情報処理が苦手だけど視覚情報処理が得意な自閉症圏の子ども達には、その時の状況を話し言葉で説明したときよりも、はるかに良く理解できるのです。相手の気持ちを想像するのが難しい彼らにもこの方法は最適な支援方法だと考えています。この支援方法はアメリカのキャロル・グレイ氏が考案した「コミック会話」というものですが、特別支援学校ではかなり使われているものの、幼稚園や保育園で使われているのをまだ見たことがありません。実に効果的な支援方法ですので、拡がっていってほしいと切に願っています。

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